2018年11月8日木曜日

安曇野の特養死亡事故公判 検察、罰金20万円を求刑

 信州毎日新聞記事

 安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で2013年12月、入居者の女性=当時(85)=がおやつのドーナツを喉に詰まらせ、その後死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた松本市の准看護師山口けさえ被告(58)の論告求刑公判は1日、地裁松本支部(野沢晃一裁判長)であり、検察側は罰金20万円を求刑した。「准看護師としての基本的注意義務に違反し、過失は軽いものではない」とした一方、人員不足など施設の態勢の問題にも遠因があり、「被告のみに非難が課されるものとは言えない」とした。

 公判で山口被告は無罪を主張してきた。明治大法科大学院の大塚裕史教授(刑事過失論)は一般論として、業務上過失致死罪で起訴された事件では「禁固刑の求刑が圧倒的に多く、罰金刑の求刑は多くない」としている。

 検察側は論告で、介護記録などから被告は女性が食事を一度に口に詰め込む癖があると認識しており、窒息は予見できたと主張。事故前におやつの形態が固形食からゼリー状の食べ物に変更されていたことについても確認を怠っており、「注意義務違反があった」とした。

 また、女性が心肺停止となったのは窒息が原因ではないとする弁護側主張に対し、ドーナツは気道に詰まりうる形状をしており、事故直後の窒息に対応した救急処置で一時的に症状が改善したことから「心肺停止の原因は窒息によるものと認められる」とした。

 一方、施設でおやつの形態が一目で分かるようになっていなかったことや、形態の変更が明示的に引き継がれていなかったことなどは酌むべき事情とした。弁護側の最終弁論は12月17日。 
 以上、信州毎日新聞から引用

介護施設内の死亡事故で、罰金刑がついてしまいました。食事形態の変更の確認怠り・詰め込む癖の見逃し・見守り不足と、悪い条件が色々重なってしまったようです。介護職員の人数は適切だったのでしょうか?他の職員は何をしていたのでしょうか?特養ということは、帰宅準備などはないですから、デイサービスよりもバタバタすることはないと思います。しかしおやつの前ということは、丁度午睡から覚めた時間で他のスタッフはトイレ介助でバタバタしていた時間と重なりますね。食事形態や詰め込む癖の見逃しは良くないことですが、あれもやらなきゃこれもやらなきゃと思っていると、スポッと頭から抜けてしまうことも正直あります。目がいくつあっても足りないときがありますが、職員会議などで、立ち位置(死角ができない場所)や、職員同士の声掛け(このフロアを離れます、見守りちょっとお願いしますと)、食事形態を二重チェック、など、なんとか少ない人数でも事故を減らす工夫をしていきたいものです。



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